図書サービスコーナーおすすめ「こんな本はいかがですか？」

『死刑執行人サンソン－国王ルイ十六世の首を刎ねた男』

安達正勝／著　集英社

2003年12月

おすすめ：一般

この夏、世界を沸かせたパリ五輪にパリパラリンピック。

何かとフランスが注目された時期でもありました。

そこで今月は、約250年前に起きたあの激動のフランス革命を生きた一人の死刑執行人の生涯を記した本を紹介します。

タイトルだけを見ると「血生臭い猟奇的な人物の話なのでは」と思ってしまいますが、むしろ主人公サンソンは信心深く、王家を崇拝し慈愛に溢れ、見た目にも美しく良識的な人物でした。世襲である死刑執行人という被差別的職業をまっとうしながら、革命の大義名分から徐々に離れ、狂信的に人をギロチンに送っていく民衆の姿を見つめ、回想していきます。

対立する勢力が無益な血を流し合う様は現代にも通じるものがあると考えさせられます。

スピーディーな展開で一気に読みきってしまう一冊です。

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