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図書サービスコーナーおすすめ「こんな本はいかがですか?」

2023.12.16
図書コーナー

『姑獲鳥の夏』

京極夏彦/著 

講談社 1998年9月

おすすめ:一般

今年9月『邪魅の雫』以来17年ぶりとなる京極堂・百鬼夜行シリーズの長編『鵺の碑(ぬえのいしぶみ)』が刊行されました。とてつもない分厚さでしたが、長ければ長いほどその世界に浸れるので、手に持った時は喜びを噛み締めてしまいました。

今回はシリーズ第一作目である『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』をご紹介します。

昭和27年の夏、東京の雑司ヶ谷(ぞうしがや)の医院には奇怪な噂が流れていた。

それは娘が20箇月も身籠ったままでいること。

そしてその夫は密室から失踪したということ。 この謎に古本屋兼陰陽師、文士、探偵などが巻き込まれていく。

妖怪は作中に実体として登場しませんが、その妖怪に見立てられた奇怪な事件を「京極堂」こと中禅寺秋彦が「憑き物落とし」として解決する様を描いています。

また、作品内では民俗学、論理学など様々な視点から妖怪の成り立ちが説かれています。

あまりの長さに手に取るのを諦める方がよくいるこの作品ですが、まず数ページ読んでみましょう。

スムーズに世界観に入れた方はそのままどんどん読みましょう。

つまずいてしまった方は、その部分をさらっと読みましょう。

大丈夫です。そこで読むのを止めてしまうことの方がもったいないです。

最初のつまずきを乗り越えた先にあるものがあります。

これはあくまで個人的な見解ですが、1回で完全に理解するのは難しいです。

少し時間をあけて読むと、さらなる理解と発見に出会える、そんな作品だと思います。

ぜひ、手に取ってページを捲ってみて下さい。

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